
日本人で英語を使って仕事をしてみたいという人は、外国人とコミュニケーションをとりたい、もしくはとる必要があるからそう考えている人が大部分でしょう。そうすると、日本のことを質問された時に、日本人として日本のことを説明する立場になることが多くなります。ある意味で日本人を代表する訳です。日本人はどんな人たちなのか、どういった文化を持ち、どう生きてきたのか、自分の言葉で説明することが求められます。日本人はどのように生きてきたのか、その一部をお盆やお彼岸から見ることができます。
夏のお盆と、春や秋のお彼岸で、日本人はご先祖様や亡くなった人を供養します。このお盆やお彼岸というものは、日本古来の祖霊信仰(祖先崇拝)と仏教が一体化したもので、地域や時代によって違いがあります。その一端を垣間見ることができるのが、柳田国男の『先祖の話』という本です。今回は、お盆やお彼岸の時期などに、日本人ならば読んでおきたい一冊として『先祖の話』を紹介します。
先祖の霊をまつる祖霊信仰は、世界では割と珍しい。
なぜこの本をすすめるかと言うと、日本のお盆やお彼岸のように、先祖の霊をまつる祖霊信仰というものは世界では割と珍しいからです。
亡くなった人のお墓参りをすることは、例えばスウェーデンなどのヨーロッパの国でもあります。しかし、もっと昔の先祖の霊もまつる行事というものは、日本や中国などのアジアの国を除くと、あまり多くはありません。現代の北米やヨーロッパの西洋文化圏(白人文化圏)にはほぼないものなので、珍しがられます。
夏の盆踊りや花火大会も、先祖や慰霊に関係した日本の夏の風物詩です。亡くなった人を思い出すことが供養や慰霊になります。そういった夏の盆踊りやお彼岸といった季節の行事に遭遇すると、「なぜこの時期にこういうことをやるのか?」と必ずと言っていいくらい外国人に質問されます。特に海外に興味がある人、外国人と接する必要がある人は、一度この本を読んでおくことをおすすめします。
柳田国男『先祖の話』が明らかにするもの
この「先祖」とはどういうものなのか、ということをまとめたのが柳田国男の『先祖の話』です。
『先祖の話』を読むと、地域にもよりますが、日本人の先祖は家の神であり、時に田の神、また時に山の神として、子孫を見守っていることがわかります。さらに、お盆やお彼岸だけでなく、日本の北から南まで、先祖に関する多種多様な行事や習わしがあることが記されています。
正直なところ、昭和20年に書かれた文章なのもあり、読みづらさはあります。反面、文庫本なので携帯もしやすく、一章一章も短めですから、短期間で一気に読み切ってしまうのも良いでしょう。
お盆や先祖について、さらに調べてみる
また、お盆一つとっても、地域や時代によって違いがありますから、一度改めて、自分の出身地のお盆の過ごし方を調べてみることをおすすめします。今の過ごし方と昔の過ごし方に違いはあるのか。明治時代や江戸時代はどうだったのか。そもそも、自分の先祖はいつからここに住んでいるのか、どの位昔までたどれるのか。家に伝わっていることの由来を調べるのも良いですね。両親、祖父母、その他親戚の方に聞いてみるのも良いですし、郷土資料を読んでみるのも良い方法です。
お盆やお彼岸の時期をひとつの機会として、ぜひ一度『先祖の話』を読んでみてください。そしてまた、ご自身の出身地のお盆の過ごし方や先祖について調べてみてください。世界でもあまり多くはない珍しい文化ですから、お盆であったり、お彼岸であったり、ぜひ季節の折り目には遠いご先祖様にも思いを馳せてみましょう。ご先祖様なしでは、今の自分は存在していないのですから。
